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2011.01.20
Ref.2526のベゼルについての考察
日本のコレクターの間で特に評価の高いRef.2526というリファレンス、「トロピカル」というペットネームが有名になっている。 1953年に製造が開始された当初は、3ピース構造のケースを採用していた。その後すぐに2ピース構造のケースに改められ、1960年頃まで製造されたようだ。 さらに実質的に後継モデルであるRef.3428も含め、以下の4つの世代に分類されている。
世 代 ケース構造 文 字 盤 ムーブメント
第1世代 3ピース 足つきインデックス cal.12-600AT
第2世代 2ピース 足つきインデックス cal.12-600AT
第3世代 2ピース 貼付インデックス cal.12-600AT
第4世代 2ピース 貼付インデックス cal.27-460

このモデルのベゼルに注目してみると、第1世代は3ピース構造にもかかわらず、ケースサイド断面のアールは一定でベゼルが目立たない造形となっている。 第2世代になると、ベゼルの高さが高いものが多く、非常にボリューム感のあるケースに変化してくる。 あくまで仮説に過ぎないが、ケースの製造工程で2ピース化するにあたり繊細な意匠を造形できず、ベゼルの高さを大きく取り作業性を確保したためではないかと推測している。 あるいは、アールデコ流行の名残でデコラティブな要素を加えた可能性もあるが、3ピース構造のケースとの整合性がとれないことから可能性は低いだろう。 いずれにしても、結果的にボリューム感のあるケースデザインが世に送り出され、現在に至るまでコレクターに愛されるモデルとなっている。
#Ref.2526 ローズゴールドケース 1954年製 第2世代に分類
#Ref.2526 イエローゴールドケース 1956年製 第3世代に分類

第3世代及び第4ではほぼ同じ造形のものが多く見られ、ベゼルはスマートなデザインとなっている。 完成度はいうまでもなく後期型に軍配が上がるが、ボリューム感という意味では第2世代のケースを好む方もいることだろう。
#Ref.2526 ローズゴールドケース 1954年製 第2世代に分類
#Ref.3428 ローズゴールドケース 1961年製 第4世代に分類
もっともこれらの時計が製造された時代には、ケース製造工程に手作業が多く介在したと推測され、個体ごとに造形差の大きいモデルといわれている。 例えばラグの長さや、ラグ間の幅が異なる個体もいくつか確認されており、そのバリエーションの広さも人気の理由となっているのではないだろうか。