2011年1月アーカイブ

HALLMARK BOOK

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前回の記事ではプラチナ製のバックルをご紹介しましたが、そのホールマークについて少し掘り下げてみたいと思います。

というのも、本日フランスよりホールマーク集が到着したからです。

book_top.jpg早速プラチナ製のバックルを拡大した画像を見てみます。

officer_buckle_pt.jpg

右端は、現在のスイスのナショナルホールマークで、犬をモチーフにしています。
右から2番目には、少しわかりにくいですが、プラチナのコモンホールマークで、天秤と共にプラチナ品位を表す950が刻印されています。

これをホールマークブックと比べてみます。

book_pt950.jpgフランス語ではプラチナは"Platine"と記述されます。
一番下に、天秤と950のマークが確認できます。参考までに、"Argent"は銀を表し、"Or"はゴールドを表します。ゴールドにはいくつかの品位があるのがわかります。

さらにVINTAGE PATEK PHILIPPEのケースに打たれているホールマークも確認します。
platinum_holemark_2526pt.jpg右端に大きな角をもった、鹿のような動物の顔が刻印されています。刻印の枠は六角形になっています。

次に、ケースのラグ裏に打たれているホールマークも確認してみます。
platinum_holemark_2526pt_lug.jpgplatinum_holemark_96pt_lug.jpgラグの裏にもしっかりと、角を持った鹿が刻印されています。しかし、こちらは刻印の枠が五角形となっています。これら3点の画像は1950年代の時計です。

そこで、ホールマークブックを開いてみると・・・

book_pt_top.jpgプラチナのホールマークは専用ページとなっており、時代ごとに各国のホールマークが掲載されていました。

book_pt_swiss_ibex.jpgホールマークブックに、時計に刻印されている物と同じマークが載っています。
1935年から使用されているこのホールマークは、どうやら2種類あり、大きい物は六角形で高さ=2.5mm、幅=1.2mmとなっており、小さい物は五角形で高さ=1.2mm、幅=0.7mmとサイズまで詳細に決まっていることがわかります。

時計やジュエリーは小さい物が多いので、刻印する対象によって使い分けられるようにとの配慮なのでしょう。

さらに"bouquetin"との記述を調べてみると、大きな角を持つ野生の山羊だということがわかりました。
日本語読みでは「ブクタン」と発音するこの山羊は、スイスアルプスなどに生息し一度は乱獲がたたって絶滅しかけましたが、人間の努力によって現在は相当数に増えているようです。

ヨーロッパの高山帯に広く分布しているため、ドイツ語ではシュタインボックSteinbock、フランス語ではブクタンBouquetin、英語ではアルパイン・アイベックスAlpine ibexと各国での名称があります。

最後にブクタンの様子をご紹介しましょう。結構愛らしい顔をしています。bouquetin.jpg

その希少性から非常に評価の高い、オリジナルのクラシックバックルですが、現実には良いコンディションで現代まで残っている物は少なくなってきています。
残念なことですが社外の物に交換されてしまったり、ひどいケースではメッキのものにリプレイスされてしまっているものも見られます。

またオリジナルコンディションのバックルが付属している個体も、日常的に使う場合は摩耗が気になりますし、バックルの位置は使用することによって傷もつきやすいものです。

 そこで、オリジナルは保存しておき、現行のクラシックタイプのバックルを使用することも一案かと思います。

そのほか、不幸にしてオリジナルバックルが付属していない個体を入手された場合も、お好みによりクラシックタイプの現行バックルを装着することでVINTAGEらしい雰囲気を楽しむことが出来るのではないでしょうか。

こちらは現行のクラシックバックル、プラチナ製になります。

patek_classic_buckle_pt_1.jpg

バックル本体及びつく棒はプラチナ製ですが、バネ棒はホワイトゴールド製となります。
この個体はメーカー代理店から入手した新品ですが、当初からバネ棒はホワイトゴールド製となっており、プラチナ製のものは存在しないそうです。

 おそらく加工が困難なことやコストの面でそうなっていると思いますが、これはストラップを装着するためのバネ棒も同様だということです。

patek_classic_buckle_pt_2.jpg バックル本体には、プラチナ製を表すPTの刻印と、品位を表す950の刻印があります。これはプラチナが1000分率で品位を表すためで、"950"は時計の素材として事実上最上級の品位です。

その他、ホールマークも入れられており小さなパーツではありますが、どこか荘厳な印象を受けます。

左側の菱形のマークは品位を表すコモンホールマークで、天秤の中に950の記載があります。
右側は1994ないし95年から使用されているナショナルホールマークで、スイスの場合は犬の形をしており、セントバーナードだといわれています。

 これらのホールマークは年代ごとに相違があり、おおよその製造年代を推測することが出来ます。

  次の画像は、形状は同じく現行のクラシックタイプとなりますが、素材は18Kイエローゴールド製となります。 patek_classic_buckle_yg.jpg プラチナ製バックルとの相違点としては、ホールマークの有無があります。
メーカーを表す"PPCo"と金の品位を表す"750"の刻印は入れられておりますが、ホールマークは入っていません。

 このタイプの製品は比較的長い期間製造されたと考えられており、セントバーナードのホールマークが入れられるようになる前の1990年代初頭まで比較的よく見られました。

現在では、ホールマークの有無によって特に市場の評価が違うこともなく、"現行"のクラシックバックルとして同じような価格で流通しています。

PATEK PHILIPPE CLASSIC BUCKLES

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VINTAGE PATEK PHILIPPEの重要なアクセサリーの一つに、BUCKLEがあります。

日本語では"尾錠"と説明されますが、VINTAGE PATEK PHILIPPEのストラップサイズは18mm-14mmが多いので、BUCKLEのサイズも標準的には14mmとなっています。

いわゆるアメリカンバックルでは、初期の物が13mmや13.5mmといったサイズで流通しており、インチサイズの名残の可能性もありますが、事実上は14mmが標準サイズかと思います。

コンプリケーションなど、VINTAGE MODELであってもケースサイズが大きくなるとストラップ幅が20mm程度になることもあり、BUCKLEも16mmサイズの方がバランスがよい場合もありますが、今回は14mmサイズのバックル、しかも"クラシックタイプ"のバックルに焦点を当ててみようかと思います。

CLASSIC BUCKLEは1940年頃には形状がスクエアで、1950年代頃からエンドが山型になっていきます。

個人的にはVINTAGE PATEK PHILIPPEにはクラシックタイプのマッチングがよいと考えているのですが、時計のタイプによっては、アメリカンタイプのデコラティブなフォルムとの組み合わせが素晴らしい物がありますので、基本的には好みのバックルを選択されればよいと思います。

アメリカンバックルの記事はサテライトブログに書いておりますのでこちらをご覧下さい。

まず初期に製造されたオリジナルのクラシックバックルをご覧下さい。

classic_buckle.jpg

classic_buckle_text.jpg バックルエンドは完全にフラットで、刻印はPPCo、DEPOSE SWISS、0.750となっています。

著名なBUCKLEの製造メーカーに"AW社"がありますが、このBUCKLEにはAWの刻印はありません。

AWと刻印が入っている物も見られますので、BUCKLEの製造メーカーが複数あったのだろうと想像しています。 AWは自社銘のバックルも製造していた他、様々なWATCHメーカーにも供給してしていたといわれ、オーディマ・ピゲなどの刻印が入った物もみられます。

PATEK銘では存在しないと思いますが、"PLAQUE"と刻印されたゴールドプレーテッド=金張りのものも存在したようです。

また0.750は18Kゴールドであることを表し、DEPOSEとは登録商標の様な意味だと考えられています。
DEPOSEは現在でもフランス語圏の様々な機械製品に見られ、意匠的な権利を表すための刻印として使われています。

次回は、現行のクラシックタイプバックルをご紹介します。

PATEK PHILIPPEの純正Boxのご紹介も今回で終了となります。

こちらは、1980年頃から見られる、赤い(どちらかというとエンジ色)合成皮革を使ったBoxになります。

時計をストラップ部分で2つに折りたたむように差し込んで収納する構造となっています。

開閉はカラトラバクロスがデザインされたボタンを押して行います。

patek_box_red_shot.jpg

クォーツショックでメーカーが疲弊していた頃のためか、あまりクォリティが良くありません。
特に内装のレザー素材が劣化しやすく、ぼろぼろと表面が崩れてしまいます。

patek_box_red_shot_in.jpg 画像ではわかりにくいですが、蓋側の内装が劣化している様子が見られます。
従ってこのタイプのBoxが付属している時計は少なくなっています。

またこちらのような、ロングタイプのケースも存在します。時計のストラップを伸ばして収納できることから人気がありますが、やはり内装が劣化しやすく長期間使用することは難しいようです。 patek_box_red_long.jpg さらに時代が下ると、ウッドを用いた重厚なケースが主流となります。
アクアノートなどの発売が開始された時代には、合成皮革を用いたキューブ型のBoxも見られましたが、その後、コンプリケーテッドウォッチ以上のグレードには、ウォールナット素材のウッドボックスが採用されるようになっていきます。

cubu_wood_box_patek.jpg 現在では特殊なモデルを除いて、すべてのモデルにブラックウッドの重厚なBoxが付属するようです。 

その他、特殊なものとして、 VINTAGEの時代には、コフィン(棺)ケースといわれる、メガネケースのような凝った造りのものも見られます。
また、Ref.3940など自動巻の永久カレンダー時計が登場すると、オートワインダー機能付きのBoxも付属するようになりました。

現在では、VINTAGE WATCHのコレクターに限らず、付属品を大切にする方が増えてきたためかBoxの価値が認められるようになり、Box単体での入手は困難になってきています。

前回に続いて、1950年代から1960年代の時計に付属していたと考えられる純正Boxを紹介します。

patek_flat_box_black.jpg

この個体は、ブラックの外箱が付属する非常にコンディションの良いものです。外箱はホワイトのタイプも散見されますが、いずれも外箱が付属することは希になっています。

patek_flat_box_black_and_watch.jpg
  箱の内部はベルベット生地を使用しており、時計に傷を付けないよう配慮されています。内外装のレザーなどが劣化しやすい年代もあるようですが、このタイプは実用にも耐える上、形状もストラップを伸ばして収納することから時計を保管しやすく大変人気があります。


 patek_flat_box_red.jpg この赤い個体も同年代もしくは若干遡った年代に見られるタイプで、良好なコンディションを保っています。 内部はスエードタイプとなっており、外装色と相まって華やかな構成となっています。

 


 

565_Breguet_numerals_ss_box_1950.jpg 

こちらのタイプは、おそらく1940年代の純正Boxで、ショップネームが入っていることから販売店のオリジナルの可能性もあります。(画像はChristie'sより引用) patek_old_box_2526.jpg こちらの観音開きのBoxは大変希少で、開閉部のヒンジにあたるレザーが破損しやすく、良好な状態で現存しているものは非常に高く評価されています。 時計を入れた状態で蓋を開くと展示台としても活用することが出来ます。蓋を止めるためのスナップ金具も劣化しやすく、長い時間を経て良好な状態を保つことは難しいのかもしれません。(画像はChristie'sから引用)
製造から数十年から100年程も経過している、VINTAGE PATEK PHILIPPの時計にはメーカーの純正Boxが付属していることは極めて少なくなっています。

おそらく、長い年月の間に捨てられてしまったり、劣化した結果使われなくなり紛失してしまうのだと考えられます。

現行品のような重厚な箱ではなかったことも相まって、コンディションの良いBoxは目にすることはとても少なくなっています。

しかし、コレクター心理としては素晴らしいOld Pieceを手に入れるとしたら、やはり純正Boxも欲しくなってしまうのではないでしょうか。

弊社ではなるべく状態の良いBoxを入手し、時代考証の上VINTAGE Pieceを納めるよう努めています。

今回はVINTAGE Boxの一例をご覧頂こうと思います。

まずは、キューブ型のBoxで蓋のヒンジにバネが入っており、蓋を開けた状態で展示できるようになっているタイプです。

cubic_1.jpg

このタイプはヒンジのバネが劣化してしまうことが多く、開閉のボタンも革巻きのためか破損しやすくなっています。

cubic_2.jpg

この個体はコンディションも良好で、製造年代を考えれば多少の汚れなどは許容範囲だといえるでしょう。

時計を納め上記のように、展示すると純正Boxならではの雰囲気が感じられます。

VINTAGEのBOXは流通量も殆ど無いため、市場でも非常に高額な価格で取引されているのが現状です。

 

次に、フラットな黒革のタイプで製造年代により僅かな仕様の違いがありますが、かっちりとした作りと劣化しにくい内部の上質な生地のため、実用的にも時計を保管しやすく非常に人気があります。

flat_box_black_1.jpg

ゴールドに型押しされたカラトラバクロスが端正で、いかにもPATEK PHILIPPEらしい純正ボックス。開閉は真鍮製と思われるノッチを押すことで行います。

 flat_box_black_2.jpg 内部は上質なベルベット生地を使用し、大切な時計を傷つけずに保管することができます。

 flat_box_black_3.jpg

製造された時代が合っているためか、時計を収納したときのマッチングが素晴らしく、VINTAGE WATCHコレクションの醍醐味が感じられます。

Ref.2526 Rose Gold

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VINTAGE PATEK PHILIPPEファンに人気の高い、Ref.2526のローズゴールドケースのモデル。

今回は、時計の質感をご理解頂くために、プロのカメラマンによる撮影画像をご覧頂きたいと思います。

patek_2526_RG_blece_2.jpg

さすがにプロのカメラマンのライティングは素晴らしい。 アーカイブス、純正ボックスの質感をとらえつつも、はやり時計を主役に引き立てている。

patek_2526_RG_5.jpg

こちらは、あたかも宇宙空間に浮かぶ惑星か、あるいは空に輝く月を思わせるようなショットとなっている。

焼成エナメル文字盤の質感が良く捉えられ、インデックスと文字盤の接線が織り成す微妙なニュアンスは、"エクボダイアル"と称されVINTAGE PATEK PHILIPPEファンに大きな支持を得ている。

 

 

"Luxurydays." OPEN!

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2011年1月20日、弊社の運営するVINTAGE PATEK PHILIPPEをご紹介するサイト「Luxurydays.」をオープンさせて頂きました。

96_1491.jpg今後はコレクターの皆様に少しでも楽しんで頂けるサイトを目指すと共に、私自身も一層精進し、努力して参ります。

まだまだ情報量が少なく、お見せできるお時計も僅かですが、徐々に内容を充実させて行ければと考えております。

当分の間、本ブログと以前から続けてきたサテライトブログである、「Luxurydays. Satellite」との両方から情報を発信して参ります。

本ブログは公式ブログとして商品に関する情報を中心に発信することで、コレクターの皆様にVINTAGE PATEK

PHILIPPEを楽しいんで頂きたいと思います。

2526_platinum.jpgLuxurydays. Satellite」では、全般的にカジュアルな雰囲気で、時計以外の話題も織り交ぜながら、VINTAGE

PATEK PHILIPPEについてコレクターの皆様と交流させて頂ければと考えております。

なお、「Luxurydays.」は最小のコストで運営し、コレクターの皆様に少しでもリーズナブルにVINTAGE PIECEをお届けするため、店舗は設けておらずアポイントメントベースで時計をご覧いただけるよう運営させて頂きます。

 

 

tokyo_office.jpg快適にお時計をご覧頂ける場所の一つとして、東京青山に商談スペースを確保しております。

(ただし店舗ではございませんので、商品は常時ご用意しておりません。)

19世紀初頭のAntique Desk and chairsがコレクターの皆様をお迎え致しますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

また、都内の雰囲気のよいカフェなども数カ所リストアップしてございますので、コレクターの皆様にとって利便性の良い場所をご相談させて頂ければ幸いです。

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